





Anselmo Gotti — 1926年製ヴァイオリン
イタリア・フェラーラの製作家 Anselmo Gotti(アンセルモ・ゴッティ)による、1926年製のヴァイオリンです。
本器のラベルには、Gottiの師である Ettore Soffritti(エットーレ・ソフリッティ)の名前が記されています。鑑定の結果、本器は Anselmo Gotti の作品として扱われています。
Gottiは1902年に生まれ、1922年からSoffrittiの工房で研鑽を積みました。当時の工房には、ストラディヴァリやグァルネリをはじめとする歴史的な名器が修復のために持ち込まれており、Gottiは製作技術に加え、古い楽器の構造や修復についても経験を重ねました。
1928年に師が亡くなった後は、工房に残された未完成の楽器を完成させる仕事も引き継いでいます。その後、ウィーンでの修復経験を経てフェラーラに戻り、1930年代以降は自身の作品を本格的に製作するようになりました。
Gottiの作品には、ストラディヴァリやグァルネリの様式を取り入れたものから、独自のモデルによるものまで幅広い作例があります。赤褐色のオイルニスや、良質な木材を用いた丁寧な仕事も、専門資料で特徴として挙げられています。
1926年に製作された本器は、Gottiが師の工房で学んでいた時期にあたる作品です。ラベルに記された師の名前と、鑑定によって認められたGottiの作品としての帰属が、この楽器の来歴に興味深い背景を与えています。
外観では、深みのある赤褐色のニスと、裏板に広がる美しい杢目が目を引きます。
音色は鮮やかで華やか。豊かな響きと明瞭な存在感を備え、イタリアン・モダンならではの魅力を感じさせてくれます。演奏する人はもちろん、客席で聴く人にも印象を残す、個性豊かな一本です。
製作家の歩みとともに、約100年の時を経た楽器ならではの魅力を、ぜひ実際にお確かめください。
